組織細胞剤治療例:肝不全

治療例

2020. 12. 07

10歳のMIX犬さんが来院されました。

3週間ほど前から具合が悪くなったそうです。

肝不全と診断され、これまで入院しての静脈点滴や内服薬など、できる限りの西洋医学的治療をしてきたけれど症状は悪くなるばかり。漢方薬も飲んだけれど改善しなかったそうです。

初めて来院したとき、ワンちゃんは重度の黄疸のため皮膚は真っ黄色で、元気がありませんでした。自分からは全く食べないため、鼻から食道に通したカテーテルから流動食を入れて命をつないでいました。

血液検査では貧血があり、白血球数が参考値を上回っていました。特に肝臓の値は基準値の10倍~20倍で、かなり危険な状態でした。

状態がかなり深刻だったので週に2回ペースで組織細胞剤治療を始めました。

組織細胞療法開始から3日後には何となく元気になったように感じられ、少しずつ自分から食べ始めたそうです。経鼻カテーテルもワンちゃんが自分で抜いてしまったそうです。

その後のワンちゃんの改善は目覚ましく、3週間後には血液検査結果もほぼ参考値まで回復し、元気も食欲も改善しました。

表:血液検査結果の推移

このワンちゃんの治療を終えてから約1年半たちますが、今も元気に暮らしています。

飼い主様は「うちの子の経験が皆さんの参考になれば」とWEB掲載を快諾してくださいました。

飼い主様、ありがとうございました。